相続のルールと手続きの流れについて④
2018.12.07
遺産相続をする際にトラブルが起こりがちなので、事前に準備をしておく必要があります。
また、相続の対象財産や、相続の手続きの流れを知っておかないと
スムーズに相続することができません。
今回も前回に引き続き、相続のルールと手続きの流れがわかる、
遺産相続の基礎知識についてご紹介致します。
権利義務
相続の対象になるのは、お金や借金のような目に見えるものだけではありません。
抽象的な権利義務も相続されます。たとえば、亡くなった人がアパートを借りて住んでいたら、
大家との間で賃貸借契約をしていますが、その賃借人の地位は、相続人に相続されますので、
賃貸借契約を解約しないかぎり、相続人は大家に家賃を支払わなければなりません。
解約の際、原状回復が必要であれば、その分の費用も支払う必要がありますし、
亡くなった人の荷物を片付ける必要もあります。
また、被相続人が誰かの借金を保証していた場合には、保証人の地位も相続の対象になるため、
借金した本人が支払をしないときには相続人が支払をしなければならないのです。
自分は保証した覚えがないのに、
見も知らない他人の借金を返済しなければならない可能性もあり、
大変な不利益が及びます。
相続の対象にならない財産
次に、相続の対象にならない財産を見てみましょう。
一般的には相続財産になると思われがちだけれども、実は相続財産にならないものがあるので、注意が必要です。
・祭祀財産
遺産の中でも、「祭祀財産」と呼ばれるものは、相続の対象になりません。
祭祀財産とは、先祖をまつるための資産のことで、
たとえば、墓地や墓石、仏壇や仏具、神棚などです。
遺骨も遺産分割の対象にならないと考えられています。
そこで、これらの祭祀財産については、相続人らが遺産分割の話し合いをして、
誰が相続するかを決めることがありません。
・祭祀財産は祭祀主宰者が承継する
それでは、こうした祭祀財産は、誰が相続するのかが問題です。
これについては、「祭祀主宰者」と呼ばれる人が相続します。
祭祀主宰者を承継する際し継承者は、基本的に慣習によって決定します。
たとえば、その地方では長女が祭祀を承継する慣習であれば、
その家の長女が祭祀主宰者となります。
ただし、被相続人が遺言によって別の人を祭祀主宰者にすべく指定していたら、
指定された人が優先的に祭祀を承継します。
このように、慣習も遺言による指定もない場合には、家庭裁判所が祭祀主宰者を決定します。
慣習が明らかではなく、相続人同士で争いが発生した場合にも、
家庭裁判所で祭祀主宰者を決定してもらう必要があります。
・家庭裁判所で祭祀継承者を決めてもらう方法
家庭裁判所で祭祀主宰者を決めてもらうためには、
トラブルの相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、
祭祀財産承継者指定調停を申し立てる必要があります。
調停では、関係者(多くは法定相続人と一致する)がお互いに、
誰が祭祀を承継するかについて話合いをすすめ、合意ができたら、
その人が祭祀主宰者として祭祀財産を承継します。
合意ができない場合には、調停は不成立となります。
その場合、裁判所が審判によって、誰が祭祀承継者となるかを決定します。
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