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相続関連の法改正がなされるかも

2018.10.08

平成30年、久しぶりに相続関連の法改正がなされるかもしれません。(法令施行は法令交付より6ヶ月以内【一部除外】)
大まかな内容は
①自筆証書遺言作成に関する改正
②自筆証書遺言の保管、検認について
③配偶者居住権の創設
④夫婦間での自宅等贈与に関する制度の創設
⑤預貯金の仮払い制度の創設
⑥相続人以外の貢献を考慮する制度の創設

 

①自筆証書遺言作成に関する改正

今までは自筆証書遺言を作成する際、全てを手書きでしなければなりませんでした。
今回の改正で、財産項目だけですが手書きでなく、パソコンやワープロを使って作成できるかもしれません。

 

②自筆証書遺言の保管、検認について

今までは、自筆証書遺言を作成してもその保管は自分でしなければなりませんでした。
そのため、遺言書の紛失や、相続人による破棄、改ざんなどの恐れがありました。

今回の改正で御自分の住所地、本籍地、所有不動産の所在地を管轄している法務局に、自筆証書遺言の保管申請ができるようになるかもしれません。(代理申請は不可)

これに伴い、法務局で保管された自筆証書遺言に関しては、家庭裁判所による検認が不要になります。

③配偶者居住権の創設

被相続人の財産を分割する際に、子供が自宅を売却し配偶者が住む場所をなくしてしまうケースがあります。
それを改善しようとする法改正です。

遺産が自宅(3000万円)と預貯金(1800万円)のみ、相続人が配偶者と子供1人いた場合。
配偶者と子供の関係が良好であれば問題はないかもしれませんが、中には自宅を現金化して分割を望む者もいるでしょう。
単純に配分計算をすると、配偶者2400万円(自宅の一部)、子供2400万円(自宅の一部と預貯金全額)となります。
配偶者が自宅で住みたいと望んでも、その自宅は子供との共有財産になり、しかも預貯金は0円になる可能性があります。

そこで今回の法改正で、「配偶者居住権」、「負担付所有権」という権利ができるかもしれません。
上記の場合自宅に対して「配偶者居住権」が1500万円、「負担付所有権」(子供の権利)が1500万円になり、現金をそれぞれに900万円づつ分配されることになります。
そうすることで、配偶者は住む場所を失わず、預貯金の一部も手にすることができるようになるなるかもしれません。

④夫婦間での自宅贈与に関する制度の創設

今までは、被相続人が生前に、配偶者に対して自宅や財産を贈与していたとしても、死後相続するはずだった物を先渡しされていると考えていました。
その結果、被相続人の死後の遺産分割において、その財産も分割の対象となってきました。

被相続人は自宅(1000万円)と預貯金(5000万円)を持ち、配偶者と子供一人いたとします。
生前、被相続人から配偶者に自宅の贈与があったとしても、遺産分割の対象となるので、
配偶者=自宅(1000万円)+預貯金(2000万円)
子供=預貯金(3000万円)
となっていました。

今回の法改正で、婚姻関係20年以上の夫婦であれば、生前配偶者にした自宅不動産の贈与は遺産分割の対象としなくなりました。
上記の場合、被相続人死後の遺産分割対象は預貯金の5000万円のみとなり、
配偶者=預貯金(2500万円)
子供=預貯金(2500万円)
結果、配偶者は自宅+預貯金(2500万円)の相続になります。以前よりも配偶者は多く財産を取得できるようになるかもしれません。

⑤預貯金の仮払い制度の創設

今までは預貯金は遺産分割の対象になり、被相続人の死後共同相続人が自分の持ち分に応じて銀行に払い戻しを請求こすることはできませんでした。
それにより、葬儀費用や、生活費を引き出せなくなったりして不都合なことが多くありました。

そこで、今回の改正で仮払いの必要性が認められる場合は、家庭裁判所の判断で預貯金から一定金額の払い戻しができるようになります。
具体的には法定相続分×1/3が他の相続人の同意がなくても引き下ろせます。
葬儀費用や当分の生活費も引き下ろせることになるかもしれません。

ただし、金融機関ごとに払い戻しを認める上限額については、色々な事情を勘案して法務省令で定められます。
(施行日は法令公布より1年以内)

 

⑥相続人以外の貢献を考慮する制度の創設

相続人以外は遺言書が無い場合は、相続権がありませんでしたが、
今回の改正で、相続人に貢献した人も「特別寄与者」として、寄与に応じた金銭額を請求できるようになるかもしれません。

例えば
これまでは、長男の嫁が被相続人の介護をずっとしていたとしても、相続権がありませんでした。
この貢献を認めようというものです。
ただし、自ら請求しなければなりません。
(施行日は法令公布より1年以内)

 

これらはまだ正式決定ではありません。

正式に法令化されたらお知らせいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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