TOP / 新着情報一覧 / 遺言書の書き方について⑥

遺言書の書き方について⑥

2019.10.01


遺言書なんて、生きているうちに自分が死んだ後のことを話すのは縁起が悪い、と考えられてきましたが、「終活」の普及とともに自分が死んだ後どうして欲しいかということをきちんと表明しておいた方が良いと考えられる方も増えてきており、生前に遺言書の作成を検討される方も増えてきたのではないかと思います。

ただ、遺言書の書き方には法律上細かいルールや注意しなければならない点がたくさんあります。

良かれと思って遺言書を作成したのにかえって無用な争いを生んでしまうことの無いよう、今回も前回に引き続き、遺言書の書き方や種類、文例などについてご紹介致します。

 

遺言書で相続人が困らないためのポイント

 

▶︎意思を明確に記載する

遺言書の内容は、遺言者が亡くなった後に他人が読んで明確に意味がわかるように記載する必要があります。

記載の内容が曖昧であったり、誤記があったりした場合、遺言書を開封したときには、遺言者は既に亡くなっているので、その意味を遺言者本人に確認することができません。

裁判例においては、「遺言書に表明されている遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきであるが,可能な限りこれを有効となるように解釈する」と判断されており、遺言書の内容に曖昧な部分や不明確な部分があっても、それだけで無効になるわけではありませんが、相続人間に無用なトラブルを生む可能性がありますので、曖昧な表記等には気を付けるようにしましょう。

 

▶︎遺留分に配慮する

兄弟姉妹以外の相続人には、遺言によっても奪われない最低限度の相続分として、法律上、遺留分(法定相続分の2分の1。親などの直系尊属のみが相続人の場合はその法定相続分の3分の1)が認められています。

この遺留分を侵害する遺言(遺留分を有する相続人に遺留分を下回る財産しか相続させない遺言)も法律上有効ではありますが、遺留分を侵害された相続人は、相続開始後、他の相続人に対して、遺留分減殺請求をすることができます。

そのため、遺言によって遺留分を侵害してしまうと遺言者の死後、相続人の間で揉め事が起きてしまう可能性がありますので、その点に注意して遺言書を作成することも大切です。

 

▶︎遺言執行者を選任しておく

相続財産の中に不動産がある場合、遺言者が死亡した後、不動産の名義(登記)を遺言者から相続人(受遺者)に変更する必要があります。

この場合、不動産を相続させる者が1名であっても名義変更(所有権移転登記)の手続きの際に相続人全員の協力が必要となります。

このような実際の相続の場面における相続人の煩雑さを回避する方法として、遺言の中で遺言執行者を選任するという方法があります。

遺言執行者は、相続が開始した後(遺言者が死亡した後)、遺言書の内容に従って相続させるために必要な手続きを単独で行う権限を有しているので、種々の手続きに万が一、相続人の協力が得られないような場合であっても手続きを行うことができるというメリットがあります。遺言執行者は、相続人のうちの一人を選任しても構いません。